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12年2月9日

【改訂新版】2月です。日本は極寒。香港は比較的暖かい日が続いていたと思ったら、冷え込んできました。これをもうあと何回か繰り返したら、あっという間に春が訪れるでしょう。

★新規初級コース 開講時間変更!

 2月21日(火)開講の新規初級コースは14:00~16:00に変更させていただきます。ご迷惑をおかけして申し訳ございません。振り替え補講を予定されている皆様、くれぐれもご注意ください。

★雑記

 この時期、相次いで生徒さんが香港を訪れることから、日常生活に変化が生まれ、楽しくかつ充実感があります。こうした非日常が脳を活性化させてもくれるので、ありがたいことです。

 前回、深の食事が安くて美味しい、と書きました。が、香港の食事も相変わらず美味しい。香港を訪れた生徒さんたちとご一緒した「新志記海鮮飯店」と「大班樓」、それぞれ下町に溶け込んだ騒然としたお店と旧市街に佇む洗練されたお店と、対照的ながら、料理はもちろん、風情も味わい深かった。

 新暦と旧暦の年末年始の連休中、読書に勤しんだ結果、印象に残った本が2冊あります。『民意のつくられかた』(斎藤貴男|岩波書店)と『ヤクザと原発 福島第一潜入記』(鈴木智彦|文藝春秋)です。

 前者は、“偽装され、捏造され、操作される——世論”と帯にあるように、原発にしろ、選挙にしろ、五輪招致にしろ、民意は市民の意思を表していない、という内容。例えば、ネットリサーチは世論調査とはいえない(パソコンを使わない高齢者とケータイが中心の10代が対象から漏れるため)とされるのに、ネットリサーチの結果を世論として、2016年オリンピック東京招致の希望者多し(全国70.2%/東京68.6%)、と東京都が発表した(しかも、請け負った調査会社は当然、世論調査のつもりもなく、結果公表の旨も聞いていなかった)、など。絶望はしたくありませんが、改めて失望を感じてしまいます。

 後者は、メルトダウンを起こした福島第一原発で実際に下請け作業員として働いた暴力団専門ライターが、現場リポートとバックアップ取材によって明らかにした原発の闇、という内容。“「原発はタブーの宝庫。だからオレらが儲かる!」某地方の暴力団組長”との帯あり。暴力団の取り締まりが強化されているなか、彼らを排除すると原発が稼働しなくなる構造。「死んでもいい人間を用意してくれ」と集められた下請け作業員たち——なにがフクシマ50は英雄だ、政府、東電、御用学者たちこそ〈ピー〉ねばいいのに、と過激な怒りが沸いてきます。ヤクザはさておき、下請け作業員の過酷さは28年前に読んだ『原発ジプシー』(堀江邦夫|講談社文庫)と変わっていません。

 ああっ……